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不登校の娘をもつ母のひとりごと
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陣痛で苦しいなか、すっかり夜も明け、太陽の光がさしこんできた。
「う~ん、まだ全開じゃないわね・・・」
子宮口が全開にならないと分娩台にはのぼれない。
ちらっと時計をみて、主治医は言った。
「あたし、当直終わりだから、いったん帰るわ。今日は午後から勤務だから・・・その頃には産まれてるね、きっと。じゃ・・・」
そして主治医はいなくなった。

しばらくして別の先生がきた。
「え?○×先生の担当?ふ~ん」
明らかにイヤそうな口調だった。

「う~ん、8センチか~まだ無理かな~。でも私も10時から外来だし・・・産ませてみる?」
そんなひと言で、わたしは分娩台にのせられた。
「はい、いきんで!」
初の出産で、どうしていいかわからない。とりあえず、全身の力をいれてみる。
何度か挑戦する。とにかく痛い。

「う~ん、ダメだね。外来出るわ。他のセンセ、くるからまって」
その先生もいなくなった。

10時・・・
分娩台の上で痛い時間だけがすぎていく。
かたわらにひとりだけ、助産婦見習いの女の子がいた。
私の手をにぎって「がんばってくださいね」とだけ、なんども、なんども。

11時・・・12時・・・
いれかわりたちかわり、先生がやってきて何度かいきませて、ダメだねといっていなくなる。
正直、疲れた。このままずーっと痛いんじゃないかと思う。つらい。
ナースたちも、私の耳元で「お昼なににする?」と話し合って、ひとりふたりといなくなった。

13時・・・
なんと!主治医がもどってきた。
開口一番
「なに?まだ産まれてなかったの?」
・・・痛くなかったら、疲れてなかったら、ぶん殴ってるところだ。

「じゃ、産もうか」
そのひとこととともに、まわりに今までいなかった人がたくさんあつまってきて、私の上の大きなライトが点灯した。
「いきんで!」
痛みはピークなのだが、疲れすぎて力が入らない。
「ダメじゃん!!あなた、お腹おして!」
そういわれたナースのひとりが、わたしに後ろ向きにまたがって、力一杯お腹を押した。

なにかが、でた・・・気がした。

「産まれました!女の子です」
「へその緒、まいてるから!!処置して!」

産声は・・・しばらくしてから・・・かぼそく・・・。
13時35分。出産。
主治医が来てからは、30分たらずだった。

赤ちゃんは早々にどこかに連れていかれてしまった。
分娩台の上で放心状態のわたしにむかって、ベテランの助産婦さんが言った。

「赤ちゃん、2540グラムだったんだろ・・・でもあんた、4000グラムの子を産んだみたいになってるよ・・・」

あまりにいきみすぎて、下半身はパンパンにはれてしまい、立つこともできなかった。
車イスにのせられて、病室にもどり・・・鏡をみて驚いた。
上半身の毛細血管が切れて、顔から首から・・・気持ち悪いくらいにミミズ状に真っ赤だった。
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